岐阜県小中学校教育研究部会の会員の皆様におかれましては、平素より本県小中学校の教育の振興にご尽力いただき、心より感謝申し上げます。本年度、岐阜県小中学校教育研究会会長を務めさせていただくこととなりました。会員の皆様には、大変お世話になりますが、よろしくお願いいたします。

　さて、本会は、小中学校の教育に関する研究を進め、岐阜県小中学校教育の振興を図ることを目的として、昭和45年（1970年）に結成し、本年度で５５年目を迎えます。県内ほぼ全ての教職員の皆様が所属し、県内30支部、29部会において、本県の教育課題の解決に向けて、各地域、教科、領域に応じた研究実践を積み重ね、全国的に誇るべき多くの成果を残しております。

　本会では、昨年度より本研究会テーマを「未来に向けて社会の創り手となる児童生徒の育成を目指す学校教育の創造」として取り組んでいるところです。これは、令和３年１月の「令和の日本型学校教育」の構築を目指して～全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと協働的な学びの実現～(答申)」、令和５年６月に策定された第４期「教育振興基本計画」、令和５年度末に策定された「第４次岐阜県教育振興基本計画（2024年度～2028年度）」で示された「目指す人間像」である「『ふるさと岐阜』で育んだ自信と誇りを胸に、よりよい未来の実現に挑み続ける人」の育成、育みたい三つの力「自立力・共生力・創造力」、これらを具現するための四つの具体的施策①「豊かな人間性」の育成、②「未来を創る確かな学力と実践力」の育成、③「健やかな体」の育成、④「学びの多様なニーズに応える環境」の充実を踏まえてのものです。これらを踏まえて研究実践していくことは、必ずや岐阜県教育の充実・発展につながると考えます。さらに、令和６年12月には、次期学習指導要領の改訂に向けた検討が、中央教育審議会に諮問されました。現行の学習指導要領で実現しようと取り組んだことにどのような成果と課題があったのか、先の10年を見据えて何に取り組んでいくべきなのかなど、学校現場での研究実践は今まで以上に重要視されるのだと考えます。

　他方、県内の状況を鑑みますと、児童生徒の減少に伴う教職員の減少等により、地域、教科、領域によっては、部会の諸事業の運営・存続に多大なご苦労をされている部会もあります。したがって、どの地域、どの教科・領域においても、持続可能な取組を確立していくことが急務であり、本会が岐阜県の教育界の中で担う責務は、今後さらに大きくなっていくものと考えます。

　是非、岐阜県の教職員の皆様には、お一人お一人がもつ指導力や教育観を発揮し、互いに学び合うことを通して、児童生徒一人一人の成長や、ご自身の資質向上につなげていただきたいと願います。本年度も各支部、各部会においての素晴らしい研究実践が展開されることを期待し、挨拶といたします。本年度どうぞよろしくお願いいたします。

岐阜県小中学校教育研究部会　会長　岐阜市立長良中学校長　丸山早苗